専門家がみる UFC 2009 Undisputed Vol.1

総合格闘技を熟知した専門家の目に、リアリティを追及した本作品はどう映ったのか――

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米国では5月の発売開始後1カ月余で150万本を売り上げた
『UFC® 2009 Undisputed™』(以下、『UFC2009』) が、いよいよ日本でも発売となる。
これまでサッカーや車関係など、私も熱病にうなされる様に、ゲームに夢中になったことはあるが、不思議と格闘ゲームにはまることはなかった。
いや、考えてみれば不思議でも何でもない。格闘技の記者として15年以上、この人間の限界に挑むスポーツを他の人々よりも近い距離で見続けていた者にとって、格闘ゲームというのは現実を追えば、追うほど、その本物との間にある溝を感じてしまっていた。
その溝を「UFC2009」は、トータルパッケージで埋め、自宅のリビングに世界最高の格闘技プロモーションを持ち込んだ。

まず、ゲームを始めると、いきなりダナ・ホワイトが画面に映し出され、UFCが何たるかを説明する。選手紹介のテロップ、実況陣から、レフェリー、そしてオクタゴンガールと、UFCスタッフ総出演で、ファイト前にオクタゴンが引きの場面では、UFCで見かける人々のおぼろげな輪郭まで浮かんでくる。ライト級、ウェルター級、ミドル級、ライトヘビー級、そしてヘビー級と本物のUFCと同じ階級に振り分けられたファイターたちは、もちろん実名で登場となる。
それらのファイターたちは、ボクシング、キックボクシング、ムエタイ、柔道、柔術、レスリングというベースとなる格闘技を持っており、それぞれに得意技が存在する。例えば、同じボタンを押しても、鋭い蹴りを放つファイターがいれば、スローモーで不格好なキックを見せるファイターもいる。
その蹴りが下手なファイターは、組みついて投げる動作を軽々とこなし、試合が寝技へ移行すると、それこそ水を得た魚のようにパウンドや関節技を繰り出していく。

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「UFC2009」がよりリアル感を持っているのは、ファイターに蓄積するダメージだ。まずこのゲームには、状態が一目で判断できるライフゲージなど、実戦で見られない表示は存在しない。
攻撃を受けたファイターは、その皮膚が赤く染まり、カットするとその傷口はラウンド間のインターバルでワセリンを塗ってもらうまで広がり続ける。
チャンピオンシップでは5R、通常は3Rの闘いだが、ラウンドが進むときに、ファイターが手を腰にやっていないかどうかなど、疲労度を伝えるサインを見逃してはならない。ダメージが蓄積し、疲労がしっかりと感じられるファイターは、相手の攻撃をしっかりと防御し、無闇に動きまわらないことをお薦めする――なんて、これはゲームではなくリアルな闘いの世界における解説と同じセリフになってしまう。

だからといって、UFCそのものに対して、それほど知識のないゲームファンにとって、高度な知識が必要かといえば、決してそんなことはない。
非常にスムーズな技の連係や防御も、簡潔なボタン操作で可能なので、視覚から受けた情報で、十分にファイターを操ることができるはずだ。
日本代表・岡見勇信の試合では、解説のジョー・ローガンの『日本の人々は、本当にこのスポーツを愛している』なんて、嬉しいコメントが聞こえてくる「UFC2009」。リアルなUFCを体感させてくれる今までにない格闘ゲームだ。

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高島学
1967年9月、神戸生まれ。
サラリーマン、世界放浪期間を経て、1995年1月よりフリーランスとして、『格闘技通信』で活動を始める。
その後、『ゴング格闘技』や『ファイト&ライフ』など、格闘技専門誌を中心に執筆。
近年では、海外MMA情報サイト『MMAPLANET』のメインライターとして、ネット活字にもチャレンジしている。
実はMMA同様に、海外キックボクシング好きでもある。

UFC日本語版公式サイト Yukes UFC 2009 Undisputed